TAMRONが10月に新しいレンズ4本の発表を匂わせています。特に私が注目しているのはズームレンズのようなシルエットのもので、ソニーEマウント用の「70-180mm」ではないかと噂されています。これが噂通りのものなら、先んじて発売されているA036、A046と合わせてTAMRONのコスパに優れた大三元ラインナップが揃うことになり、Eマウントユーザーとしては非常に魅力的な新たな選択肢が生まれることになります。
そこで、今回はまず今年7月下旬に発売開始された広角域ズームレンズであるTAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD(以下モデル名であるA046と記す)を紹介し、このラインナップの魅力をおさらいしておきたいと思います。
カメラの主な機能に対応
・ファストハイブリットAF※1
・瞳AF
・ダイレクトマニュアルフォーカス※2
・カメラ内レンズ補正 (周辺光量、倍率色収差、歪曲収差)
・カメラによるレンズ本体ファームウェアアップデート
※1…合焦精度の高いコントラスト検出方式AF、動く被写体への追従性と高速性に優れた位相差検出方式AF。2つのAF方式を併用し、フォーカスの速度と精度を両立。
ソニーカメラの強みであるAF性能にもしっかり対応しています。サードパーティ製でありながらカメラ内でのレンズ補正やアップデートができるのも、さすがレンズメーカーTAMRONです。
SONY純正広角域ズームレンズとの仕様比較
モデル名 | A046 | SEL1635GM |
焦点距離 | 17-28mm | 16-35mm |
レンズ構成 | 11群13枚 | 13群16枚 |
最短撮影距離 | 0.19m(WIDE)/0.,26m(TELE) | 0.28m |
フィルター径 | 67mm | 82mm |
寸法 | 73(最大径)×99nn | 88.5×121.6mm |
質量 | 420g | 680g |
絞り羽根 | 9枚 | 11枚 |
最小絞り | F/22 | F/22 |
防塵防滴 | 簡易防滴構造 | 防塵防滴設計 |
防汚コート | ○ | ○ |
Sony純正レンズで開放F値2.8の広角域ズームレンズであるSEL1635GMと主な仕様の比較をしました。この比較はレンズの方向性の違いを把握するためのもので、どちらが優れているというものではありません。
SEL1635GMはプロカメラマンの要求に応えるべく画質と性能を求めたレンズですので、AFの合掌スピードや堅牢性、レンズ構成の差による画質の違いなど、この他にも表では数値にならない性能差もあります。
一方でA046は表から一目瞭然のように、純正レンズにはない携帯性の良さという武器を持っています。f2.8通しのズームレンズを広角域・標準域・望遠域と3本持ち運ぶ時、この差はずいぶん大きなものになるでしょう。また反射防止効果のあるコーティングを施し逆光耐性を持たせていたり、レンズ鏡筒の可動部、接合部の各所に防滴用のシーリングが施されていたり、防汚コーティングをしていたりと、他メーカーのレンズに見劣りすることのない実用性も兼ね備えながらSEL1635GMとの価格差は約2.4倍というコストパフォーマンスの良さという武器もあります。
それでは今度はその他のA046の強みを、もう少し詳しく紹介します。
SEL1635GMよりも寄れる!
ワイド側だとSEL1635GMよりもさらに10センチ近く寄って撮影することが可能。近い被写体をより大きく、遠くの被写体をより小さく写すといった、超広角レンズ特有のパースペクティブを活かした撮影だけでなく、絞りを開けて被写体に近づいて、背景をぼかした大口径ならではの被写界深度の浅いやわらかな表現も可能となります。
前玉が伸びない
また、このレンズはズーミングしても全長が変わらない設計なので、近接撮影時にズーミングしてぶつかる心配もありませんし、撮影時に安定した操作ができます。
28-75mm F/2.8 (Model A036)との併用を想定した設計
シームレスな画角
Model A046の画角17mm-28mmとこの17-75mmまでの画角を2本のレンズで完全にカバーすることができます。
操作性の統一化
ズームリングを前方、フォーカスリングを後方に配置し、加えてズーミングやフォーカス時の方向もModel A036と合わせています。これにより、レンズ交換した際もテンポを崩さずスムーズに撮影に集中できます。
フィルター径の統一化
また両レンズのフィルター径はφ67mmと共通しており、PLフィルターをはじめとした各種フィルター、レンズキャップなどの共用が可能となっています。
携帯性抜群
セットで持ち歩いても1kgを下回る携帯性の良さから、できるだけ荷物の負担を減らしたい旅先でも便利です。
Eマウント移行の波に拍車をかける!?
各カメラボディメーカーから発売されているF2.8通しのズームレンズはどのメーカーも、プロ・ハイアマチュアユースの高級レンズラインナップに当てはまる大型レンズです。タムロンは以前より純正よりも安価なラインでレンズを開発していましたが、そこにプラスしてコンパクト化・フィルター径の統一化を成功させたことで、「純正ズームレンズの廉価版」ではなく「コンパクトなF2.8ズームレンズ」としての立ち位置を確立させたといえます。
Eマウントのレンズ選びの幅を広げるこのシリーズの望遠域版が出れば、既出の2本も再び品薄となることも考えられますので、買い揃えるつもりの方は早めに購入をしておいた方が良いでしょう。
いずれにせよ、TAMRONから目を離せませんね。
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