広角ズームレンズ。
少し前までは自分のなかで広角域の優先順位は低く、あまり必要ないものだと思っていました。
でも今のカメラはスチルと動画がダブルスタンダードで撮れるようになっていて、「表現する」という意味で、どちらにもチャレンジするようになった私は、必然となりました。
広角レンズを買うにあたって候補として挙がった他のレンズは、サードパーティ製のF2.8の明るいレンズ。そして純正の20mmF1.8の単焦点レンズ。
非常に悩みましたが、スチル・動画撮影両面での万能性を考えた時にこのレンズを選ぶに至りました。
フルサイズ全盛期に軽量コンパクトは大正義。
僕が友人から貰い受けた大好きな35mm F1.4GMレンズと並べてみました。35ミリ単焦点の方はレンズプロテクターをつけたままにしていたのですが、その分を差し引いてもまだ短いです。レンズ径はワンサイズ16−35の方が太いですが、この単焦点と同じくらいコンパクト。インナーズームなのでこれ以上伸びることもありません。
フルサイズセンサーのカメラがこれだけ売れる時代。ミラーレス機の本体は小さいとはいえ、スペックを引き出すレンズが大きくなっては元も子もない。とにかく、小さいと持ち出しやすい。
これは本当に大きいと思います。
僕の持っているレンズのほとんどがフィルター径67mmだったので、ほんの少しばかり残念。でも広角ズームで72mmは小さい。というか72mm径のレンズも多いので、これから72mmのレンズも買いやすくなったと自分を説得。
GMレンズにあるようなボタン類が一通りあります。
やはりこのレンズの一番の特徴であるPZ(パワーズーム)ですが、個人的には非常におもしろいと感じました。
スライド式のボタンを操作する強弱でズームスピードも変えられるのは、動画撮影の表現を増やしてくれます。また、純正のグリップでもPZで操作ができるのも驚きです。
作例紹介
風景を切り取るのに、超広角レンズはもってこい。特に山々や川といった雄大な自然の風景は、広角でしか伝えられないものがあります。
このような街並みの撮影にも、広角ならではのパースで表現の幅が広がります。
新しいレンズなので、逆光耐性もかなり強い印象です。
軽くて小さいので、軽快に持っていけるというのは大きなアドバンテージです。
難点は他の多くのレビューでも言われていますが、ズームリングが止まらないこと。写真撮影の際には、無意識に広角端まで戻す癖がついているんですが、リングが止まらないので広角端までいっているのかわからず、撮影の際に今の画角がどのくらいなのか、ファインダーかディスプレイの表示を見ないとわからないのは若干不便さを感じました。
イチロー。つまりマルチヒッター。
しかしなににせよこのレンズの完成度は非常に高く、銘玉と言えると思います。
デジタル補正をうまく利用することでここまで軽量コンパクトな筐体にし、吐き出す画質はかなり高い。それに16-35mmの幅って撮れないものがあまりないんですよね。
私は単焦点や望遠域のレンズを使うことが多いんですが、「表現の幅を広げる2本目」のレンズとしてチョイスしやすい。
また、今回はスチル撮影での感想に留まりましたが、このレンズの真価を発揮するのは動画撮影。
競合としてタムロンやシグマの広角ズームレンズがありますが、アクティブ手ブレ補正の効きの良さ、またメチャクチャ強力なブリージング補正は純正レンズならではの強み。さらにパワーズームという電動ズームが加わります。個人的には動画用としての目的も強い広角域においてはサードパーティのf2.8の明るさよりもこちらの方がアドバンテージが大きいと感じました。
これを一本持っておくことでスチル・動画両面でマルチに活躍してくれるんではないかと思います。
これからガンガン使い倒して、後日追ってレビューしていきたいと思います。
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