本書は、2013年に発売されて以来7年が経つ今も、本屋さんの人気ランキングで上位をキープし、世界で累計販売部数485万部以上の大ベストセラー。
色々なメディアで取り上げられているのを目にしてはいたものの、タイトルの「嫌われる」というネガティブな印象から、ついつい食わず嫌いしていました。
しかしあるレビュー動画の視聴をきっかけに読んだところ、内容に衝撃を受け「なぜ今日まで読まなかったんだ!」と後悔するほどでした。
読めば人生観が変わる!!
本書で取り上げられる内容を一言でいうなら「生き方」について。
- 世界が複雑なのではなく、「あなた」が世界を複雑にしている。
- 人の行動は過去の原因がもたらしているのではなく、現在の目的を達成する手段として、その行動をとっている。トラウマは存在せず、人の行動、は感情や過去に支配されたりしない。
- 人は、いつでも、どんな時でも変わることができる。変わることができないのは、自分で変わらないと決心しているから。
- すべての悩みは対人関係の悩みである
- 本当の自由とはなにか
本書で取り上げられる内容は、現代の日本社会における人間関係を、根底からひっくり返すようなセンセーショナルな内容です。
「そんなはずはない!」
読み始めた当初はこのような思いを抱きましたが、読み進めていくうちに「なるほど、たしかにそうなのかもしれない」となり、読了後には目から鱗が落ちたような気持ちになりました。
日本の心理学はこれまで、フロイトやユングにスポットライトがあたっていました。しかし、この数年非常にユング心理学に人気が出てきています。やっとユングに現代日本人の考えが追いついてきたと言えるのかもしれません。
しかし、こんなことを100年前の人が言っていたのだから、驚きです。
めちゃめちゃ読みやすい!!
「そんな難しいテーマの本は読みづらいでしょ!?」と侮るなかれ。
この本は、哲学者と青年という架空人物2人の対話形式がとられています。
アドラー心理学を修めた哲学者が、その教えに則って「自分が嫌いだ」という青年の問いかけに応えていくという内容。青年は私たち読者に代わって哲学者の話に疑問や反論を投げかけ、哲学者は著者に代わって、例え話を用いながら分かりやすく応え、導いていくという形になっています。
本書で扱う内容が、人生の価値観や人間関係のあり方、果ては「幸せとは何か」とった非常にヘヴィなものでありながら、架空の2人の対話というスタイルをとることによって、本の中に入りやすく非常に読みやすくなっています。
まとめ アドラーを知らない人たちにゼヒとも読んでもらいたい一冊。
私はこの本を読み進めていくうちに、アドラーの教えを自分の考え方や人間関係の向き合い方と照らし合わせて、これからの自分自身のあり方を深く考えることになりました。特に本書で取り上げられている内容は、今私が直面している子育ての中で抱えている疑問に大きく関わる内容だと思いました。とても興味のある内容でしたので、思わず著者が出している子育て本も購入しました。
先に述べたように日本の現代社会においては、センセーショナルな内容となっていて、私としても本書の内容の中には懐疑的なところもありました。しかしそうした部分も含めて、身近な人にも本書を読んでもらって、意見を話し合いたいと考えさせられる。まさに心に深く刺さる一冊です。
まだ読んでいない方は、是非ご一読をお勧めします
読みやすさ ★★★★★
内 容 ★★★★★
おすすめ度 ★★★★★
コメント