少し前にはなりますが、SIGMAがミラレス専用設計レンズとして「35mm F1.2 DG DN」を発売しました。現段階ではLマウントとEマウントに対応しています。メーカーはこのレンズのことを「ミラーレス時代のArtライン」と謳っているように、最高性能を追求しながらも開放F値1.2を実現させた究極の短焦点レンズです。
メーカーの公式HPでは次のように紹介されています。
フルサイズのLマウント用、およびソニー Eマウント用AFレンズとしては初となる、開放値F1.2の広角レンズです。浅い被写界深度を活かしたポートレートなど、圧倒的な解像感と、大きなボケを活かした作品作りが可能です。「最高画質の追求」というArtラインの開発コンセプトをさらに先鋭化させ、カメラ内の光学補正機能も活用しつつ、後処理が困難な収差は光学設計により徹底的に補正し、解像感を高めています。
※ 製品名について:イメージサークルを35mm判サイズに合わせて設計したレンズには「DG」を、ショートフランジバックを採用したミラーレスカメラに最適な設計を行ったレンズには、製品名に「DN」を記します。
ミラーレスマウント用に新たに設計されたラインナップにはDNと記されるとのこと。一眼レフ機ユーザーはこれから注意が必要ですね。ともあれ、とんでもないモンスターレンズという口コミをよく聞く本レンズを今日は見ていきたいと思います。
ボディ内レンズ光学補正機能に対応
開放F1.2による副作用といえる周辺光量、倍率色収差、歪曲収差などは、カメラ側の補正機能に対応しているのでカバーできます。
フルタイムマニュアル機構搭載
オートフォーカス作動中でも、フォーカスリングを回すだけでマニュアルでのピント合わせが可能なフルタイムマニュアル機構を搭載。フォーカスモードを切り替えることなく、素早いピントの調整が可能です。
大型HSMを採用、素早いAF合掌が可能
大型HSM(Hyper Sonic Motor)を採用することで、フォーカス群を駆動させる十分なトルクが得られるとともに、低速での安定した動作が可能。また、AFアルゴリズムの最適化により、快適なオートフォーカス撮影が可能となります。
旧ARTlineの35mm、Sony純正35mm単焦点レンズとの比較
レンズ名 | 35mm F1.2 DG DN |
35mm F1.4 DG HSM |
Distagon T* FE 35mm F1.4 ZA |
レンズ構成 | 12群17枚 | 11群13枚 | 8群12枚 |
絞り羽根数 | 11枚 | 9枚 | 9枚 |
最大絞り | F1.2 | F1.4 | F1.4 |
最小絞り | F16 | F16 | F16 |
最短撮影距離 | 30㎝ | 30㎝ | 30cm |
最大撮影倍率 | 1:5.1 | 1:5.2 | 1:5.6 |
フィルター径 | 82mm | 67mm | 72mm |
最大径×長さ | 87.8mm×136.2mm | 77mm×94.0mm | 78.5mm×112mm |
質量 | 1090g | 665g | 630g |
F1.2ですから多少は仕方ないにですが、サイズ、重量ともにかなりボリューミーですね。35mmでこの感じなら、今後出てくるであろう85mmなどは一体どんなサイズになるのでしょう… しかし、「ミラーレスマウントだからこのサイズで済んだ」らしいですよ。
次に、このレンズの特徴を少し見てきます。
レンズの特徴
スチル・動画のあらゆる撮影をサポートする高い操作性
AF撮影では、フォーカス群を駆動させるための十分なトルクが得られる大型の超音波モーターHSMにより、F1.2の大口径レンズにおいて快適な撮影を実現。MF撮影時には、最適なトルク設定のバイワイヤ駆動フォーカスリングが、撮影者の微細な操作にも応えます。
❶絞りリング
❷AFLボタン ❸クリックON/OFFスイッチ
直感的な操作を実現する絞りリング(①)を搭載。さらに、クリックON/OFFスイッチ(③)によってクリックをなくすことができるデクリック機構を搭載し、静音かつスムーズな絞り操作が求められる動画撮影にも配慮しています。また、様々な機能を割り振れるAFLボタン(②)がレンズ側での操作の幅を広げます。
様々な状況で快適な撮影をサポートする機能
防塵防滴機構に加え、レンズ最前面に撥水・防汚コートを採用。汚れや水からレンズを守ってくれるので、さまざまな環境下での撮影に配慮されています。
35mmという画角は、歪みも少なく眼で見たままの景色を切り撮れる画角。日常で使っても肩肘をはってない自然な写真が撮れるという感覚から、普段は以前に紹介したシグマの35mmをカメラに付けっぱなしにして一番愛用している画角です。新しいこのレンズはそのサイズや重量からお散歩レンズにするにはかなり体力が必要かもしれません。が、DGDNシリーズの単焦点で最初の1本目に選ばれるほど汎用性の高い画角です。
F1.2という浅いピント面も、ミラーレスカメラのAF性能は相性が良いですね。これだけ明るいレンズでありながら画質も非常に高いと評判ですので、私もミラーレス機に乗り換える時がきたら購入を検討したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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