最近読んだ「写真」に関するオススメの本を紹介します。
地元の図書館で、新しく入ってきた本のコーナーを見ていてたまたま出会ったのがこの本。
「うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真」
とても良い本だった。
この本はいわゆるハウツー本ではない。写真を撮ることについて気付かされたり忘れてしまっていたことを思い出させてくれる本だ。
私たちは、写真について語る時、写真について語れていないことが多い。
気づけば機材や撮影テクニックにばかり気をとられていた。
また、SNSの「いいね」が多くつく写真にばかり目がいって、自分の写真もそれらと似たような写真になっていた。
気づかぬうちに、流行りのレタッチやノウハウに引っ張られて自分の写真が変わっていたのだ。
被写体が横を向けば、三分割構図の交点に被写体を置き向いている側に余白をあける。
それが悪いことではないけれど、それが正解ではない。肝心なのは自分がそれを見てどう撮りたいと思ったのか。
この本を読んで「自分が何に感動して、それをどのように写真に残したいと思ったのか」と、忘れていないつもりだった何度もコスられた超基本概念が、実は気づかぬうちに捻じ曲げていたことに気づいた。
もう一つは、被写体や世界への配慮だ。
最近よく取り沙汰される、一部の撮り鉄のモラルの低さを見ると「これはひどい」と思うものの、この本を見ると自分が被写体やその場所での周りへの配慮がキチンとできていたかどうかは、これから先も含めて改めて考えさせられるところがあった。
写真が好きな方にも、興味があるという方にも読んでもらいたい良書。
昔から思っていたが、どんな上手なカメラマンでも、子供の最高の表情を撮影するのは母親には叶わない。
「うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真」
技術はなくとも、被写体との関係性の厚みや理解度は写真撮影の重要な要素になる。それが被写体と向き合う事の本質ともいえる。
また、もう一つ。
この本はハウツー本ではないのだが、読んだ後自分の写真の仕上げ方が変わった。というか数年前の自分の写真に近い形に戻ったように思う。
写真撮影について深く見つめ直す機会を生む内容だ。
そして、すぐにでもカメラを持って、写真を撮りたいと思った。撮影欲や表現欲がくすぐられるのだ。
写真が趣味な方や、また写真に興味が湧いている方にはぜひともご一読いただきたい。
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