ニコンは、Zマウント用の大口径MFレンズ「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」の受注を10月12日に始めました。約1年前に発表されたこのレンズがついに発売決定!希望小売価格は税込126万5,000円。さすが最高峰のレンズ、お値段もラグジュアリー! さすがにこのレンズ、受注してからの生産だそうです。どのくらい受注が入るんだろう……
公式HPの紹介では
かつてない開放F値0.95の描写力。
S-Line最高峰の大口径標準単焦点マニュアルフォーカスレンズ非常に高い解像力と大きく美しいボケ、卓越した点像描写を実現しています。極めて高い光学性能により、絞り開放からピント面で類を見ない解像力を発揮。なめらかに変化してゆく理想的なボケと、f/0.95が生みだす浅い被写界深度により、これまでの立体感とは一線を画す空間を創り出すことが可能。サジタルコマフレア※2を徹底して抑え込むことで、夜景や星景もひと際美しくドラマティックに描けます。
とあります。そもそもZマウントの大口径とショートフランジバックという特徴にした目的の一つは明るいレンズを作ることであり、ニコン史上最も明るい解放F値0.95というレンズを開発することはZマウントの史上命題だったようです。もちろん、ただ明るいレンズというものではなく、
- 開放F値0.95ならではの極めて浅い被写界深度と大きく美しいボケ味
- 至近から無限遠まで撮影距離を問わず、絞り開放でも非常に高いピント面の解像力
- ピント面から遠ざかるにつれてなだらかに変化する理想的なボケの連続性がもたらす、独自の空間表現
- 鮮明な夜景撮影や天体撮影が可能な、絞り開放から点を点として描写する卓越した点像再現性
- 高屈折率硝材を使用した面精度の高い大口径の「研削非球面レンズ」を新たに採用したことで、強力かつ高精度に収差を補正
と、吐き出す画質をとことん極めた伝説のレンズとなるべく開発されたもの。今年のCP+で展示されていたものを触ったレビューなどを動画で見ましたが「夢の世界だ」という感想もあり、一度は体感してみたいものです。
主な性能一覧
絞り羽根 | 11枚の円形絞り |
レンズ構成 | 10群17枚(EDレンズ4枚、非球面レンズ3枚含む) |
コーティング | ナノクリスタルコート及びアルネオコート |
ピント機構 | マニュアルフォーカスのみ |
最大撮影倍率 | 0.19倍 |
最短撮影距離 | 0.5m |
絞り方式 | 電磁絞りによる自動絞り |
絞り | f/0.95〜f/16 |
フィルター径 | 82mm |
寸法 | 約102mm(最大径)×153mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで) |
質量 | 約2kg |
絞り羽根、レンズ構成など贅沢な作りとなっています。サイズといい2キロという重量といい、とことん画質にこだわった感が感じられます。
それではレンズの特徴をもう少し詳しくみていきましょう。
開放F値0.95の大きく美しいボケ
ピント面から滑らかに変化していくボケ。安価なレンズはピント面が滲んだように解像感が低かったり、ボケがうるさかったりしますが、非常に上品なボケに、ピント面はシャープで質感が豊かに表現されています。
絞り開放から周辺部まできれいな点描を描く点像再現
開放F値0.95の大口径レンズながら、絞り開放から画像の周辺部まで卓越した点像再現性を発揮します。開放絞りで発生しやすいサジタルコマフレア(画像周辺部の点光源の像が翼を広げた鳥のような形ににじむ収差)も、画面全域でその発生要因を徹底的に抑制。点光源をにじみのない点として描き、クリアーで感動的な夜景撮影を楽しめます。
ナノクリスタルコートに加え、アルネオコートを採用
斜めからの入射光に強いナノクリスタルコートに加え、垂直の入射光においてナノクリスタルコートを超える能力を発揮するアルネオコートを採用。さまざまな逆光シーンでゴーストやフレアを徹底して抑えます。ナノクリスタルコートに加えアルネオコートを採用したこのレンズは、さらに逆光耐性が高くなったということです。
防塵防滴・フッ素コートでシビアな環境にも対応
埃や水滴の侵入を防ぐシーリングをレンズ鏡筒の可動部分をはじめとする随所に施した防塵・防滴設計。また優れた防汚性能で汚れがつきにくく、汚れても簡単に拭き取り可能なフッ素コートをレンズの最前面に採用。ニコン独自のテクノロジーで耐久性が極めて高く、コーティングが剥がれにくいため、他の同様のコーティングよりもはるかに多くの拭きとり回数に耐え、その効果が長期間持続します。また、反射防止効果もあり、クリアーな画像の撮影に貢献します。
収納用トランクケースが付属
Noct専用に作られたトランクケースは外側にNoctのロゴ、内側にはレンズ構成図が刻印されており、所有する喜びを存分に味わえるスペシャルなデザイン。
Nikkorレンズ開発者たちの、技術とロマンの結晶
主な特徴を紹介させていただきましたが、ニコンがZマウントを世に送り出し、現代の持てる限りの技術を集結させた至高の標準域単焦点レンズだということに異論はないでしょう。
F0.95という開放F値をマニュアルフォーカスで活かすにはなかなか撮影シーンも限られそうですが、星景写真など、三脚に固定して最高の一枚を撮るのにはぴったりですね。なによりロマンを感じるじゃないですか。
私の人生には縁遠いレンズではありますが、生まれ変わったら手に入れたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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