一年半使って見えた「万能望遠ズーム」の本当の実力
はじめに
ソニーの大三元レンズの一つ、FE 70-200mm F2.8 GM II。発売当初から、その画質と機動性に驚かされ、多くのフォトグラファーから高い評価を受けています。私自身もこのレンズを一年半にわたって使い続けてきましたが、その実力を実感するたびに「やっぱり買ってよかった」と思わせてくれます。
今回は、使い始めて一年半が経った今だからこそわかる、このレンズの魅力や実用性について、ポートレート撮影から子供の行事撮影まで、幅広いシーンを踏まえて徹底レビューしていきます。
ポートレートレンズとしての実力
望遠ズームレンズと聞くと、風景やスポーツを連想しがちですが、FE 70-200mm F2.8 GM IIは、ポートレート撮影にも絶妙な選択肢です。特に、F2.8という明るさがもたらす美しいボケ味が際立っており、**「望遠レンズとは思えないほどの画質」**というフレーズがまさに当てはまります。
200mmの圧縮効果が生む魅力
特に200mmまで伸ばして撮影したときの圧縮効果が素晴らしく、背景を大きくボカしながら被写体を際立たせることができます。柔らかな描写が人物を引き立て、屋外での自然光ポートレートや公園での撮影にもピッタリ。広角や標準ズームでは味わえない立体感が手に入ります。

行事撮影での頼れるパートナー
子供の成長を記録する上で欠かせないのが、幼稚園や小学校の室内参観行事。コンサートや発表会など、少し距離がある室内イベントでも、このレンズは大活躍してくれます。
F2.8の明るさが室内で活きる
体育館やホールなど暗い環境でも、F2.8の明るさが心強く、ISO感度を上げずにクリアな写真を撮れるのがありがたいポイントです。特に、子供たちの表情をしっかりと捉えるためには、高速AFと明るさが必須。このレンズなら、どんな場面でも安心してシャッターを切れます。

テレコンバーターとの相性
遠距離撮影が求められる運動会やスポーツイベントには、テレコンバーターの使用が効果的です。ソニー純正の**1.4倍(SEL14TC)および2倍(SEL20TC)**を併用すれば、焦点距離を280mmまたは400mmまで拡張できます。
実用性の高い「200mm + テレコン」運用
超望遠レンズを頻繁に使うシチュエーションがない限り、200mmまでのズームレンジを持つこのレンズとテレコンバーターの組み合わせが非常に実用的です。運動会のグラウンドでも、子供の活躍をしっかり収められ、後からトリミングしても解像感が損なわれません。
テレコン使用時の画質低下は?
発売からかなり経過しているテレコンバーターは、最新のGMレンズの性能を引き出すにはやや物足りないと感じることもあります。特に2倍テレコンを使うと、解像感が少し甘くなり、AFのスピードも若干低下します。それでも、屋外での撮影や動きの少ない被写体であれば、十分実用的です。
廉価版70-200mmとの違い
近年、FE 70-200mm F4 Macro G OSS IIという廉価版が登場しました。実売価格は約20万円程度で、F2.8 GM IIの約40万円と比較すると半額近くになります。
AF性能とテレコン対応の違い
F4 Macroは軽量で持ち運びやすい一方、テレコンバーター非対応という大きな違いがあります。さらに、F値が4と暗いため、室内や曇天時の撮影ではISO感度を上げる必要があり、ノイズが増える点も注意です。
F2.8の強みを活かしたいならGM II
特に、F2.8 GM IIのボケ味と解像感は圧倒的で、価格差を考慮してもやはりプロユースにはGM IIが圧倒的に向いています。
一年半使って感じた「これぞ万能レンズ」の魅力
一年半使い続けて感じたのは、「とにかく使い勝手が良い」ということ。ポートレートから運動会、室内行事までこれ一本で対応できるため、レンズ選びに迷うことがありません。
超望遠が不要な人にはベストチョイス
200mmまでの焦点距離とテレコンの組み合わせが絶妙で、これ以上の望遠が必要な場面は限られています。むしろ、重さや取り回しを考慮すると、これ以上の超望遠レンズを持ち歩く機会は少なくなります。

まとめ:一年半経っても手放せない相棒
FE 70-200mm F2.8 GM IIは、ポートレートから運動会、室内行事まで幅広くカバーできる万能レンズです。一年半の使用を経てもなお、その性能と使い勝手には圧倒的な満足感を覚えます。
望遠ズームとしての画質はもちろん、ポートレートレンズとしても優秀で、日常使いにも全く問題なし。テレコンとの組み合わせでさらなる可能性を広げられる点も評価ポイントです。
最新の廉価版と迷ったら、F2.8の描写力とテレコン対応の強みを活かせるGM IIが間違いない選択肢。プロやハイアマチュアにはぜひおすすめしたい一本です。
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